股関節唇損傷の論文紹介

股関節鏡による臼蓋修復機能を求めて:股関節臼蓋再建術と臼蓋修復術の成績:システマティックレビュー【股関節唇損傷論文紹介#1】

今回、股関節唇損傷の修復術後成績を知りたくPUBMEDで論文検索した。

検索ワードはhip labral tear(股関節唇損傷)とし、直近5年のうち、最もエビデンスレベルの高いシステマティックレビューでフィルターをかけた。

そして28件ヒットし、ひとまず気になった1つ目の論文をDeepLで翻訳したので、備忘録的に載せてみる。

翻訳内容を正しく理解できる自信はないので、解釈は概ね個々に委ね、原文と一緒にそのまま翻訳文を載せることにする。

題名の翻訳文では臼蓋となっているが、内容から関節唇に置き換えて良いと考えます。

では↓

題名

In search of labral restoration function with hip arthroscopy: outcomes of hip labral reconstruction versus labral repair: a systematic review

股関節鏡による臼蓋修復機能を求めて:股関節臼蓋再建術と臼蓋修復術の成績:システマティックレビュー

Abstract 要約

原文

Purpose: To perform a systematic review comparing patient-reported outcomes (PROs) in patients who underwent hip arthroscopy with labral repair versus labral reconstruction in the setting of femoroacetabular impingement syndrome (FAIS) and labral tears.

Methods: A systematic review of the PubMed, Embase, and Cochrane databases was performed in May 2020 using the Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses guidelines and checklist. Articles were included in the analysis if they compared PROs between a labral repair and labral reconstruction cohort. For all PROs, the standardised mean difference (SMD) was calculated to compare the effect size of labral repair and labral reconstruction.

Results: 10 comparative studies, with 582 reconstruction cases and 631 repair cases, were included in this analysis. The mean age for the reconstruction and the repair groups ranged from 27.0 years to 52.6 years and 27.5 years to 47.0 years, respectively. The mean follow-up for the reconstruction and the repair groups ranged from 24.0 months to 66.0 months and 24.0 months to 71.0 months, respectively. The modified Harris Hip Scores (mHHS) was favourable in 8 reconstruction studies (range 80.4-95.0) and 9 repair studies (range 84.1-93.0). Average NAHS scores for the repair and reconstruction cohorts ranged from 77.9-88.6 and 73.9-92.4, respectively. Additionally, the effect sizes regarding NAHS and mHHS scores were large (SMD > 0.8) in both the reconstruction and repair groups for the majority of studies. Finally, reconstruction patients underwent a subsequent total hip arthroplasty (THA) at a slightly higher rate.

Conclusions: In the setting of FAIS and labral tears, patients who underwent hip arthroscopy may expect significant improvement in PROs at short-term follow-up with either labral repair or labral reconstruction. Although, not statistically significant, the repair group trended towards higher scores and exhibited a lower risk of conversion to THA.

Keywords: Femoroacetabular impingement syndrome; labral reconstruction; labral repair; labral tear.

翻訳文

目的

大腿骨臼蓋インピンジメント症候群(FAIS)と臼蓋断裂の症例において、臼蓋修復術と臼蓋再建術を併用した股関節鏡を施行した患者における患者報告アウトカム(PRO)を比較する系統的レビューを実施すること。

方法

PubMed,Embase,Cochraneデータベースを対象に,Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analysesガイドラインとチェックリストを用いて,2020年5月にシステマティックレビューを実施した。関節唇修復術と関節唇再建術のコホート間でPROを比較した論文を解析の対象とした。すべてのPROについて、標準化平均差(SMD)を算出し、関節唇修復術と関節唇再建術の効果の大きさを比較した。

結果

再建582例、修復631例の10件の比較研究がこの分析に含まれた。再建群と修復群の平均年齢はそれぞれ27.0歳~52.6歳、27.5歳~47.0歳であった。再建群と修復群の平均追跡期間は、それぞれ24.0ヶ月から66.0ヶ月と24.0ヶ月から71.0ヶ月であった。modified Harris Hip Scores(mHHS)は再建群8件(範囲80.4~95.0)、修復群9件(範囲84.1~93.0)で良好な結果であった。NAHSスコアの平均値は、修復コホートで77.9~88.6、再建コホートで73.9~92.4であった。さらに、NAHSおよびmHHSスコアに関する効果量は、大半の研究で再建群および修復群の両方で大きかった(SMD > 0.8)。最後に、再建群では、その後の人工股関節全置換術(THA)を受ける割合が若干高かった。

結論

FAISと関節唇の断裂がある場合、股関節鏡検査を受けた患者は、関節唇の修復または再建のいずれかにより、短期間のフォローアップでPROの大幅な改善を期待できる。統計学的な有意差はなかったが、修復群ではスコアが高くなる傾向があり、THAへの転換のリスクも低かった。

キーワード

大腿骨肩甲骨インピンジメント症候群、関節唇再建術、関節唇修復術、関節唇断裂。

結果に対する私の感想

やはりオペしたほうが予後が良いということがわかり良かった。

巷ではオペすると予後不良となるので保存療法をすすめると自費リハの理学療法士がweb上で主張している。

個人の臨床経験だけで判断せず、包含基準・棄却基準を考え広い視野で批判的吟味して判断しないとあきません。

股関節唇損傷修復術を検討している方にとって、前向きに意思決定できるよい論文かなと思いました。

修復群のほうがTHA移行率が低いのも当然かなと思いました。

再建群のほうが重症度が高いので関節軟膏摩耗による関節変形もすすんでいそうだからです。

あとは、先天性疾患由来か、スポーツ障害由来か、スポーツ外傷由来か、非特異性によるものかによっても重症度と予後が変わってきそうなので、そのへんは本論文を細かく見るか孫引きするかでわかりそうです。

おしまい😁

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